外部区分所有者から組合協力金を徴収すること

マンション管理
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どうもスヌスムムリクです。

またもやブログの更新が滞っていました。

今回は、理事会役員のなり手不足に関連して、組合協力金について記事を書きたいと思います。

ご存知の方も多いかと思いますが、「組合協力金」とは、外部区分所有者(自宅を賃貸に出しており、自分は外部に居住している区分所有者のこと)に対し、管理費、修繕積立金等とは別に徴収する金銭のことを指します。

組合協力金については、各管理組合の事情を考慮して、規約を定めておけば徴収自体は可能です。

但し、こうした規約の設定が、一部の区分所有者の権利に「特別の影響」を及ぼすべき場合には、その区分所有者の承諾を得なければいけません。

(規約の設定、変更及び廃止)

第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によってする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC0000000069_20150801_000000000000000
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裁判になった事例

過去には、月額1万7500円の管理費・修繕積立金に加え、外部区分所有者だけ追加で2500円を徴収する旨の規約が、外部区分所有者に「特別の影響」を及ぼすにもかかわらず、外部区分所有者の承諾なく新設されたので無効だとして、裁判になった事例もあります。

裁判所の判断(最高裁平成22年1月26日判決)

判断枠組み

まず、裁判所は、区分所有法31条1項後段の解釈について、以下のように述べました。

法31条1項後段の「規約の設定、変更又は廃止が一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」とは、規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の団地建物所有者が受ける不利益とを比較衡量し、当該団地建物所有関係の実態に照らして、その不利益が一部の団地建物所有者の受忍すべき限度を超えると認められる場合をいう(最高裁平成8年(オ)第258号同10年10月30日第二小法廷判決・民集52巻7号1604頁参照)

あてはめ

その上で、以下のような事実認定を行い、結論としては、「特別の影響」を及ぼす場合に該当しないと判示しました。

前記事実関係によれば、本件マンションは、規模が大きく、その保守管理や良好な住環境の維持には上告人及びその業務を分掌する各種団体の活動やそれに対する組合員の協力が必要不可欠であるにもかかわらず、本件マンションでは、不在組合員が増加し、総戸数868戸中約170戸ないし180戸が不在組合員の所有する専有部分となり、それらの不在組合員は、上告人の選挙規程上、その役員になることができず、役員になる義務を免れているだけでなく、実際にも、上告人の活動について日常的な労務の提供をするなどの貢献をしない一方で、居住組合員だけが、上告人の役員に就任し、上記の各種団体の活動に参加するなどの貢献をして、不在組合員を含む組合員全員のために本件マンションの保守管理に努め、良好な住環境の維持を図っており、不在組合員は、その利益のみを享受している状況にあったということができる。いわゆるマンションの管理組合を運営するに当たって必要となる業務及びその費用は、本来、その構成員である組合員全員が平等にこれを負担すべきものであって、上記のような状況の下で、上告人が、その業務を分担することが一般的に困難な不在組合員に対し、本件規約変更により一定の金銭的負担を求め、本件マンションにおいて生じている不在組合員と居住組合員との問の上記の不公平を是正しようとしたことには、その必要性と合理性が認められないものではないというべきである。居住組合員の中にも、上記のような活動に消極的な者や高齢のためにこれに参加することが事実上困難な者もいることはうかがえるのであって、これらの者に対しても何らかの金銭的な負担を求めることについては検討の余地があり得るとしても、不在組合員の所有する専有部分が本件マンションの全体に占める割合が上記のように大きなものになっていること不在組合員は個別の事情にかかわらず類型的に上告人や上記の各種団体の活動に参加することを期待し得ないことを考慮すると、不在組合員のみを対象として金銭的負担を求めることが合理性を欠くとみるのは相当ではない。また、平成19年総会における決議により、役員に対する報酬及び必要経費の支払が規約上可能になったものの、上告人の活動は役員のみによって担われているものではなく、不在組合員と居住組合員との間の上記の不公平が、役員に対する報酬の支払によってすべて補てんされるものではないから、そのことを理由として本件規約変更の必要性及び合理性を否定することはできない。そして、本件規約変更により不在組合員が受ける不利益は、月額2500円の住民活動協力金の支払義務の負担であるところ、住民活動協力金は、全組合員から一律に徴収されている組合費と共に上告人の一般会計に組み入れられており、組合費と住民活動協力金とを合計した不在組合員の金銭的負担は、居住組合員が負担する組合費が月額1万7500円であるのに対し、その約15%増しの月額2万円にすぎない。 上記のような本件規約変更の必要性及び合理性と不在組合員が受ける不利益の程度を比較衡量し、加えて、上記不利益を受ける多数の不在組合員のうち、現在、住民活動協力金の趣旨に反対してその支払を拒んでいるのは、不在組合員が所有する専有部分約180戸のうち12戸を所有する5名の不在組合員にすぎないことも考慮すれば、本件規約変更は、住民活動協力金の額も含め、不在組合員において受忍すべき限度を超えるとまではいうことができず、本件規約変更は、法66条、31条1項後段にいう「一部の団地建物所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき」に該当しない。

補足

黄色マーカー部分が考慮要素、赤マーカー部分が裁判所の評価になります。

例えば、外部区分所有者が負担する組合協力金の金額があまりに高額であるような場合などは、必要性・合理性<不利益となり、外部区分所有者への「特別の影響」ありと判断される可能性があるということです。

なお、最高裁は、青字マーカー部分のように、 ①組合活動に消極的な者(例えば、輪番制で理事会役員になったにもかかわらず、理由なく辞退した者など?)、②高齢のために組合活動に参加すること事実上困難な者に対しても、何らかの金銭的な負担を求めることについて検討の余地があり得ると述べております。マンションによっては、理事会役員のなり手不足が深刻化しているところもあると思いますので、この判示部分を参考に、何からの負担金の検討を図ることができないかと考えております。

ではでは。

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