司法試験合格者の選考過程での採用担当者の着眼点ついて

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 どうも弁護士のスヌスムムリクです。

 2019年度の司法試験まで2週間を切りましたね。

 さて、司法試験を受験された方々は、晴れて合格をされた場合には法律事務所への就職活動を経験されるかと思います。

 法律事務所への就職活動をする場合には、採用担当者がどのような着眼点で司法試験合格者(司法修習生)を評価しているのかをイメージすることが重要です。

 司法試験の勉強をする際に、採点実感等で採点者の着眼点をイメージするのと一緒ですね。

 そこで、本記事では、法律事務所で採用担当者をしていた私が、法律事務所への就職活動をされる方々に向けて、司法試験合格者の選考過程における採用担当者の着眼点ついて述べたいと思います。

 なお、各法律事務所の取扱分野や成長戦略等によって、採用担当者の着眼点も変わってきますので、あくまで一例ということで参考にしていただければと思います。



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1.司法試験合格者(司法修習生)の選考過程について

 もちろん、各法律事務所によって司法試験合格者(司法修習生)の選考過程は異なりますが、多くの法律事務所では、以下のような選考過程を経ているのではないかと考えています。

 書類選考→一次面接(集団面接、事務所説明会)→二次面接(個別面接)→最終面接→内定

 私が法律事務所への就職活動をしていた時には、内定をもらった法律事務所が上記選考過程でしたし、最終面接、二次面接の連絡があった法律事務所でも、上記選考過程だという説明を受けていました。

2.司法試験合格者(司法修習生)の履歴書等の記載内容について

 司法試験合格者(司法修習生)が法律事務所の求人にエントリーする際に提出される履歴書等には、概ね次のような内容が記載されています。

 ・住所、生年月日(年齢)

 ・高校名、大学名、法科大学院名及び入学・卒業年月日

 ・職歴

 ・大学、法科大学の成績

 ・予備試験の成績

 ・司法試験の成績

 ・司法試験の受験回数(※受験資格取得年度と合格年度からの推測)

 ・資格

 ・趣味

 ・自己PR

 まず、各法律事務所の採用担当者は、これらの情報から一次面接(集団面接、事務所説明会)の連絡を出す司法試験合格者(司法修習生)を選出します。

 採用担当者は、この段階では各司法試験合格者(司法修習生)のキャラクター等が分かりませんので、必然的に客観的な情報で評価することになります(とは言いつつも、例えば、使い回しのような自己PRの記載は控えましょう。)。

 ちなみに、私が採用担当者だった頃は、ボスの意向やエントリー数が多かったことから、①年齢が20代であること又は事務所の取扱分野に関連する資格や職歴があること、②司法試験の成績が極端に悪くないこと、③司法試験に1発で合格していることという要件を満たしている司法試験合格者(司法修習生)に一次面接(集団面接、事務所説明会)の連絡を出していました。

 なお、大手法律事務所などのように毎年一定数の新人弁護士を採用しているような法律事務所を除き、各法律事務所の1回の採用活動での採用予定人数は1~2人です。所属弁護士が業務の合間に選考を行うのもかなりの負担になりますので、二次面接(個別面接)や最終面接に進む人数は、5~10人程度でしょう(私が採用担当者だった頃も同程度でした。)。



3.採用担当者の個別面接での着眼点について

 書類選考、一次面接(集団面接、事務所説明会)を経た結果、二次面接(個別面接)に残った各司法試験合格者(司法修習生)は、スペック面では大差がなくなります。

 そこで、採用担当者は、例えば次のような事項を確認することで、各司法試験合格者(司法修習生)を評価します。

(1)取扱分野に対する興味の有無

 これは必ず聞かれると考えて良いでしょう。

 取扱分野に対する興味の有無を確認することで、各司法試験合格者(司法修習生)の志望度や知的好奇心の程度などを把握します。志望度の高い方ほど、取扱分野に興味を持った具体的な内容を話してくれますし、知的好奇心が旺盛な方は、伸び代が大きいと評価できます。

 なお、採用担当者の中には、「●●分野を多く取り扱う事務所は他にもありますよね?」といった質問をする方がいます。こういう類の質問は、個人的にはナンセンスだと思いますが(大手法律事務所や有名弁護士が所属している法律事務所でもない限り、他の法律事務所と比較できるほどの情報が公開されていないからです。)、念のため、回答を用意しておいた方が安全です。

(2)司法試験合格者(司法修習生)の話の聞き方、話し方

 採用担当者は、各司法試験合格者(司法修習生)の話す内容以上に、話の聞き方や話し方に注目しています。

 これは、仮に目の前の司法試験合格者(司法修習生)が事務所に入ってきた場合に、依頼者の話をどのように聞けるか、依頼者にどのように話ができるのかをイメージするためです。



(3)裁判官、検察官への志望度の高さ

 これは割と気になります。

 各法律事務所では、今後の業務の増加量(予想)と所属弁護士の負担等を考慮して、新人弁護士の採用活動を行います。内定を出した司法試験合格者(司法修習生)が順調に司法修習を修了し、予定どおり入所することを前提に計画を立てているわけです。ところが、内定を出した司法試験合格者(司法修習生)に入所を辞退されてしまうと、この計画が狂ってしまいます。

 そのため、採用担当者としては、選考過程を通じて評価の高い司法試験合格者(司法修習生)に対して、しれっと裁判官、検察官への志望度を確認することが多いかと思います(私は最終面接段階で遠回しに質問していました。)。

(4)その他

 その他に、採用担当者は、様々な質問を投げかけ、その回答を聞くことで、司法試験合格者(司法修習生)が事務所に入ってきた場合の事務所内の雰囲気をイメージしながら話を聞いています。要するに、司法試験合格者(司法修習生)が事務所カラーに馴染むかどうか、所属弁護士との相性が悪くないかなどを評価しているわけです。但し、これは司法試験合格者(司法修習生)側で対応できることではないので、特に意識することではないでしょう。

4.まとめ

 実際の就職活動では、各法律事務所によって選考過程が違いますし、面接での質問も異なります。

 しかし、司法試験合格者(司法修習生)の今後の伸び代や事務所カラーとの相性などは、共通する評価項目ではないかと考えています。

 以上、あくまで一例として述べましたが、司法試験合格者(司法修習生)の方々の参考になればと思います。


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